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どんな時・どんな人が借りれる?奨学金の種類や条件・返還制度ナビ

奨学金がワカル!

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一言で奨学金と言っても、実は様々な種類があることをご存知でしょうか。

一つの奨学金制度だけを取り上げて、このような立場の人がこのような奨学金を得ることができると断定して考えることは適切とは言えません。

そこで今回は代表的といえる奨学金制度事例をいくつか取り上げ、それぞれどのような立場の人がどのように利用できるかなどを「ワカル」ように解説して参ります。

奨学金を出してくれる組織、団体にはどのようなものがあるの?

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奨学金の種類や条件などを理解する上で特に大切になってくることが、組織や団体を含めて「誰が」奨学金制度を提供しているかということです。

奨学金を給付する団体や組織等が異なれば自ずと制度内容や条件等も異なってきますので、その点を把握することが奨学金制度を幅広く理解する上で不可欠といえます。

そこで奨学金における代表的な組織、団体からご紹介することに致します。

JASSO(独立行政法人日本学生支援機構

JASSOとは文部科学大臣が主務大臣を務める独立行政法人で、国家事業としての奨学金制度の他、留学生の支援事業などに取り組んでいる組織です。つまりJASSOが提供している奨学金制度は国が定めた「公的奨学金制度」と言えます。

地方自治体(都道府県および市町村)

奨学金には地方自治体が独自に行っている奨学金制度があります。

例えば医師不足に悩む地方自治体が医学部生に対して、医師免許取得後その地方自治体が指定する病院に9年以上勤務することを条件に、返還不要で学費全額と在学中の生活費の一部を奨学金として支給してくれる制度などあります。

尚、地方自治体といっても都道府県に限らず、市町村レベルで独自の奨学金を創設している場合もあります。

大学

多くの大学では、学生の学費や生活支援を目的として大学独自の奨学金制度を設けていますが、給付の条件や返還制度は大学によって異なります。

民間企業が設立した公益法人や非営利法人

例えばトヨタ自動車帝人東電、ダイオーズ、コカコーラ等の大手企業が財団法人を設立し、その財団法人を通じて一定の条件に該当する学生の学費や生活費等を支援する目的で奨学金を提供している場合があります。

どんな奨学金があるの?

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奨学金を提供してくれるおよその組織や団体がわかったところで、ではどのような奨学金があるのか具体的な事例を確認してみることにしましょう。

JASSOの場合

1.種類

まず国の奨学金制度の種類としては「第一種」、「第二種」と、第一種か第二種のどちらかと同時に申込むことが条件となっている「入学時特別増額」の計3種類があります。

「第一種」は「利息が付かない奨学金」、第二種は「利息付の奨学金」で、「入学時特別増額」は入学時に一度だけ貸与を受けられる「臨時の奨学金」と言えます。

・第一種=利息なし
・第二種=利息付き
・入学時特別増額=臨時の奨学金

 

2.対象

・第一種
日本国内の大学や大学院、短大、高専等に在学する学生の中で成績が優秀であり、なおかつ経済的な事情で修学が困難な学生が対象となります。

具体例で言えば高校時代の全成績の平均値が5段階評価で「3.5以上」、世帯人数4人の場合で給与所得が747万円以下等になっています。

この条件だけを見ればそれほどハードルが高いようには思えないかも知れませんが、実体として第一種の審査は厳しく、奨学金を得ることはかなり狭き門という状況です。

・第二種
第一種と同じ立場の学生が対象ですが、成績水準としては平均以上で良く、世帯人数4人の場合で給与所得が1,100万円以下と第一種より緩やかな審査基準になりますので、かなりの学生が対象になってくると言えます。

・入学時特別増額
4人世帯で年収400万円以下、もしくは「国の教育ローン」を申し込んだのに不採用となってしまった場合に対象となります。 年収制限がかなり低いため、対象となる学生はかなり限られます。

3.第二種の奨学金貸与利息

奨学金の貸与がいつ終了したか等によって細かく利率が区分されていますが、大利息は2.0%と決まっていますので、利息は0.1%から最大でも2.0%と考えれば良いといえます。

4.注意点

多くの学生が利用している奨学金が第二種ですが、もし奨学金返済が遅延した場合には年10%もの遅延利息が加算される上、例えば9カ月以上支払いが滞った場合には家財等の差し押さえ等、厳しい取立てが行われている現状があります。

JASSO以外の事例

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日本の大学等に通う学生があまねく対象となるのはJASSOですので、奨学金制度として特に詳しくご紹介しましたが、対象は限定されるものの

 

      ・「大学」

 

なども奨学金を支給していますので、それぞれの「事例」も見てみることにしましょう。

地方自治体の事例

「教育支援資金制度」といって、一定の所得以下の世帯(例:4人世帯で月額31万9千円以下の所得)を対象に、高等学校なら月額35,000円、大学なら月額65,000円を上限として自己負担が困難な学費分について各都道府県の社会福祉協議会が学費の貸付を「無利子」で行ってくれる制度があります。

この制度を利用して貸与された資金は据置期間を除き、14年以内に返還すればよいことになっています。

勿論利用できるのは、自分が住んでいる都道府県の社会福祉協議会となります。

大学の事例

一橋大学の事例で紹介しますと、同大学には「学業優秀学生奨学金制度」というユニークな奨学金制度があります。

この奨学金制度は特に学業の成績が優秀な学生に対して、月8万円×12ヶ月返還無用の奨学金を支給するという制度です。

1年間限定の奨学金制度とはいえ、返還無用であるためそのハードルは大変高く、この奨学金を受け取ることができる学生は一橋大学の各学部各学年で1名ずつ、計12名という大変狭き門の奨学金制度です。

公益法人の事例

「公益財団法人アイザワ記念育英財団」の事例を紹介しますと、同財団では「学業成績が優秀」、「学費の支払いが困難な経済状況」にある学生を対象として毎年4月頃募集を行い、最長2年間、月額3万円を奨学金として支給してくれます。

月額3万円の奨学金は返還の必要がありませんので、そのまま学費や生活費の足しとして利用することができます。

ただしこの奨学金を得るには同財団が実施する「書類選考」と「面接選考」に合格する必要がありますので、誰もが容易に利用できる奨学金とは言えません。

また、JASSOを除いた他の奨学金との併用は不可となっています。

 

関連ページ

anond.hatelabo.jp

 

このように、日本の代表的な奨学金支給組織はJASSOであり、奨学金として数多くの学生が利用しているのは「第二種」です。第二種は利用しやすいことは事実ですが、第二種だけに限定して奨学金制度を考えることは得策とは言えません。

ご紹介したとおり、経済的事情や学業成績等、対象が限られてくるとは言え、地方自治体や大学、公益法人などでも奨学金制度は数多く提供されています。

経済的事情により学費の支払いが困難になった場合、JASSOは勿論、JASSO以外でも自分が対象になる奨学金がないか、通っている大学や地元自治体、公益法人などに目を向け、できる限り問い合わせや相談を行ってみることが大切だと言えます。