保険?年金?雇用の仕組みがワカル

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サラリーマンの皆さんにとって月に一度の給料日は待ち遠しい日のはずですが、その待ち遠しいはずの給料日に受け取る給与明細をよく見てみると、ため息をつきたくなるという方もきっと多いのではないでしょうか。

給与明細を見ると、所得税をはじめとして実にたくさんの項目が給料から差し引かれている事実を突きつけられます。

ではサラリーマンの皆さん、皆さんは給与明細にずらりと並ぶ項目について全て理解されているでしょうか。

特にサラリーマンになり立ての新入社員の皆さんにしてみれば、訳もわからずあれこれ給料から差し引かれているといった状況かも知れませんね。

そこで今回は、皆さんの大切な給料から差し引かれるお金に関することを「ワカル」ように説明致します。

給料と手取り給料の違いは?

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給料から差し引かれる項目を理解する上で、予め知っておいて欲しいことが一つあります。

それは「給料」「手取り給料」

 

の違いについてですので、この違いから確認することに致します。

 

給料

まず一般的に「給料」と呼ばれるものは「額面給料」のことを意味します。

「額面給料」とは会社側が皆さんに支払っている給料の総額のことです。

「基本給」に限定される訳ではなく、例えば役職手当だとか資格手当、あるいは休日出勤手当や残業代等、従業員に対して支払われる手当等を全て含めた金額を指します。

手取り給料

次に「手取り給料」ですが、額面給料から税金や社会保険料などサラリーマンとして納めなければならない必要な費用を差し引いた残りの金額のことで、その金額が実際に手にすることができる金額であることから「手取り給料」と呼称されています。

例で言えば「額面給料」が30万円だった場合、そこから6万円差し引かれて24万円が皆さんの銀行口座に振り込まれていた場合、この24万円が「手取り給料」にあたります。

保険?年金?なにが引かれているの~?

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では給料(=額面給料)から一体何が差し引かれているのか、詳しくご紹介して参りましょう。

サラリーマンが給料から差し引かれる項目は「社会保険」と「税金」の二つに大きく分けることができますので、まずは「社会保険」の項目から紹介します。

社会保険に該当する項目

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1)健康保険料

サラリーマンの皆さんは企業が団体で加盟している健康保険組合や、中小企業の場合なら全国健康保険協会協会けんぽ)等に、また公務員の皆さんなら共済組合といった組合の健康保険に加入しています。

健康保険に加入していれば医療機関で病気やけがの治療を受けた場合に、原則3割の自己負担で済む訳ですが、そのための保険料として毎月支払っているのが健康保険料です。

2)厚生年金保険料

年金は御存知の通り、主に老後の生活費として国から支給されるお金です。

年金制度にはいくつか種類がありますが、サラリーマンの皆さんが加入する公的年金制度が「厚生年金保険」と呼ばれるもので、その保険料として支払っているものが厚生年金保険料です。

3)雇用保険

雇用保険とは万一会社が倒産して失業した場合でも、次の職場に就職できるまでの生活に困ることがないよう失業手当等を支給する、労働者を対象とした社会保険制度です。

その保険料として毎月納めている保険料が雇用保険料で、総収入額、即ち額面給料の0.5%(2016年現在)を保険料として支払うことになっています。

4) 介護保険

介護保険とは例えば寝たきりになったり、認知症になったりして介護が必要となった場合、様々な介助サービスを受けるための費用を援助するための保険制度です。

その保険料が介護保険料ですが、この介護保険料は40歳以上が被保険者となるため40歳未満のサラリーマンの皆さんは徴収されません。

次に「税金」に関する項目です。税金は以外と項目が少なく、二種類しかありません。

税金に該当する項目

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1)所得税

所得税は所得額に応じて所得の一定割合を国におさめる国税のことです。

所得税は本来国民が自主的に申告して納めるものですが、サラリーマンの皆さんは、「源泉徴収制度」といって皆さんに代わって会社側が所得税を計算して皆さんの給料から差し引き、国に事前に納める制度の適用を受けています。

所得税は1年間の所得額に対して課税されるため、事前に計算して税金を納めた場合、実際の所得が事前に計算した金額と異なってくる場合があります。

そこで「年末調整」といって、年末時に正確な年収に基づいて税額を改めて割り出し、納め過ぎた税金の還付を受けたり、逆に不足分が生じた場合には不足分を支払う等の税金を精算する仕組みが別に設けられています。

 

2)住民税

住民税は皆さんが住んでいる自治体地域(都道府県と市町村)に納める「地方税のことです。

地方税所得税と異なり、当年ではなく前年の所得に対して翌年の6月から翌々年の5月までの12ヶ月間にかけて毎月給料から支払うという仕組みになっています。

そのため、新入社員の皆さんは勤務開始初年度の給与明細には「住民税」という項目は登場しません。「住民税」を支払うことになるのは入社2年目の6月からということになります。

以上「社会保険」と「税金」の2項目をご紹介しましたが、例えば40歳以上から対象となる介護保険やサラリーマンになってまだ1年未満の皆さんが対象外となる住民税を除けば、これら2項目は全サラリーマンが支払う必要がある項目ですので、サラリーマンの給与明細には必ず並んでいるものと言って良いものです。

では社会保険と税金以外で差し引かれる項目があるかどうかですが、それら以外の項目は勤務している会社によってあったりなかったりすると考えて頂ければ結構です。

具体例としては次のようなものがあります。

社会保険や税金以外で給料から差し引かれる項目

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労働組合費用

勤務している会社に労働組合があり、かつ組合に加入している場合には組合費用が差し引かれます。

社員旅行積立金

社員旅行の費用を給料から一定額差し引いて積み立てている場合の項目です。

財形貯蓄

財形貯蓄は一種の積立預金のようなものであり、会社側が皆さんに代わって給料から天引きする形で金融機関にお金を貯蓄してくれる制度のことです。

つまり積立預金のようなものですから、額面給料から差し引かれていたとしても財形貯蓄に限れば手取り給料に含まれるものとして考えます。

どのくらいの割合が差し引かれているの?目安はだいたい何割ぐらい?

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では額面給料に対してどのくらいの割合が差し引かれるものなのか、おおよその目安を最後にご紹介します。

仮に独身サラリーマンで40歳未満、つまり介護保険対象とならない年齢で考えた場合、だいたい目安として「額面給料の2割程度」と考えておけば良いと言えます。

つまり額面給料が30万円としたら6万円程度が社会保険料や税金として徴収され、その残りの24万円程度が手取り給料になってきます。ただしこれはあくまで目安です。住民税は前年の年収次第で大きく変わりますし、少額ながら住んでいる自治体によっても異なる場合があります。

 

また、先ほどの例は独身サラリーマンの場合でしたが、扶養家族がいる場合といない場合では税額も異なってきますので、要は同じ年収、同じ年齢のサラリーマンであったとしても一律何%とは言えず、サラリーマン個々の状況によって異なる場合があることは理解しておいてください。

さて額面給料と手取り給料の違いと共に、差し引かれる具体的な項目等について説明して参りましたが如何だったでしょうか。

例で紹介したとおり独身のサラリーマンの皆さんは額面給料の2割程度の税金や社会保険料を徴収されている上、しかもこれら直接的な税金や社会保険料以外に日常生活において物を購入するたびに消費税も支払っています。

改めて重税感を感じられた方も多いと思いますが、それほど大きな割合を税金や社会保険料として負担している訳ですから、その使われ方については関心を払い、無駄遣いがなされていないかを厳しく見守ってゆくことも国民としての大切な役割と言えます。